xtetsuji) です。
おがた (@このブログ記事を書いている2015年6月現在から数ヶ月前のお話になってしまうのですが、2015年初頭に地元にいたときに、いくつかのIT勉強会に参加しました。
- 帯広駅前にあるとかちプラザ3階会議室で、2015年1月7日に実験的なIT勉強会イベント「ゆるいITべんきょうかい in 帯広」に参加。
- 同じくとかちプラザ4階会議室で、2015年4月16日に行われた勉強会「Tokachi Developers Night #1」に参加。これは前回の「ゆるいITべんきょうかい in 帯広」で決まった定期開催イベントの第1回目です。
- 釧路市内の釧路市民活動センター わっとで、2015年4月17日に行われた勉強会「釧路OSS 4月勉強会」に参加。こちらは道東の元気なITコミュニティである釧路OSSによる定例のもの。
勉強会自体は小規模かつ実験的なものだったのですが、軽く感想や展望を書いておこうと思います。
Contents
北海道のITコミュニティ事情
1月と4月の帯広のIT勉強会は定例のものでなく珍しい試みで人数も少なかったため、どちらかというと主催者側でした。こちらの立役者は、帯広市出身で釧路高専を卒業した期待の若手であるタケウチ(@T_akms)君。
多くの人の想像通りではありますが、北海道全体のITコミュニティの9割以上は札幌に集中していると言えます。
その他の地域についてですが、各地それぞれに特色があります。そりゃ、北海道の一つ一つの総合振興局が本州にある一つの県の大きさくらいなので、地域の特色があって当然ではあります。
- 高専のある地域はそれなりにIT人材を輩出する基盤がある。釧路、旭川、函館、苫小牧。
- 工業大学もまたIT人材の輩出に一役買っているものの、IT人材よりも製造業だったり別の職種の方が多いからなのか目立っていないかも。室蘭、北見。
- その他の地域では、工業高校などが地域のIT基盤となっていることもあるが、拠点がある大きなIT企業があまり無いなどの理由で、IT系志望の若者の札幌への人材流出が目立つ。
上記は今の私の感じ方で、もっと色々な要因もあるでしょう。
IT人材の輩出基盤や会社があったとしても、ITコミュニティの形成やIT勉強会の開催頻度に関してはまた地域に差があるのが面白いです。
- 高専のある4地域では、圧倒的に釧路、そして函館がそこそこ盛り上がっているという感じ。両地域が札幌から遠い(片道4時間くらい)ということ、また函館は公立はこだて未来大学という特色ある大学によるものが大きそう。
- 工業大学のある地域での盛り上がりはあまり聞かない。室蘭は製造業由来の工業大学でもあるので、IT勢力は弱いのかもしれない。先日北見に行って事情通である高校時代からの友人S氏と色々と話をしたものの、北見へのIT企業の誘致などといものはあまり進んでいない模様。結果的にITに従事する人間が定着せず札幌に吸い取られるのかも。
とはいえ、製造業などの業種のさらなるIT化などによってもIT系の雇用が生まれたりするので、このあたりの事情は定期的に変わっていると思います。
帯広のITコミュニティは活発なのか
私は生まれてから18年間帯広市周辺で過ごしてきましたが、その間にIT系コミュニティというものはありませんでした。Windows 95が盛り上がって地方のインターネット前夜みたいな時代でしたから、まぁ当然かもしれません。
とはいえ、その後21世紀になった後も、他の地域に比べて帯広のITコミュニティというものは育たなかったと言っても言い過ぎではない気がします。
上述のようなITコミュニティと学校の関係は一つの仮説ですが、やはり帯広にはITコミュニティの土壌となる高専や大学がないのは弱いのかなと思います。
今回はそんな帯広を盛り上げるようなITコミュニティを作ろうという試みもありました(たぶん)。
1月の「ゆるいITべんきょうかい in 帯広」の試み
昨年2014年末にタケウチ君から帯広で勉強会をやるということは聞いていたので、前職を退職して無職だし1月は長く地元に滞在して出席しようと当初から予定を組んでいました。
「会場はどこがいいか」といった相談をタケウチ君から持ちかけられていたときに「かじのビルとかいいんじゃない?」とか答えたりもしたのですが、意外にも安く借りることが出来るということでとかちプラザになりました。
年末からイベントページを作って参加者を募っていましたが、結果的に8人が集まるという、帯広としては大成功なものでした。東京でも日時場所テーマがニッチだと、それくらいしか集まらないことはある。
ゆるいITべんきょうかい in 帯広 (@ とかちプラザ in 帯広市, 北海道 w/ @t_akms) https://t.co/IzXMnlVoYo pic.twitter.com/wpD9N6P14a
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) January 7, 2015
私が知らない会社の方の参加もいただいたりして、帯広ならではの面白い試みなどの発表もありました。今後に大きな期待が持てますね。
フライトレーダー24では、とかち帯広空港に到着するエアドゥ機が途中で消えていたのを、個人が受信機を作って解決するという話を聞いて唸っている。そこからのラズパイの話すごい。
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) January 7, 2015
私は当初発表しないつもりだったのですが、参加者数の割には時間が余りそうなので発表したのですが、準備が足り無さ過ぎて反省。そもそも、集まる人がどんな人か全くわからなかったので想定聴衆層が設定できず、話題も簡単なものとなりました。
帯広駅の北側は新しい飲み屋がいっぱい出来て、その後の懇親会には困りません。
ゆるい飲み会 (@ 居酒屋ぼーの 帯広店 in 帯広市, 北海道) https://t.co/FYpI0kC1Lu pic.twitter.com/cwSIu3mopj
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) January 7, 2015
懇親会では普段接点の無かったIT関係の方とお話ができて、この勉強会をやってよかったなぁと感じました。開催して宣伝さえすれば、それなりに需要を掘り起こせるということがわかったことは大きな収穫でした。
今回は、ファームノートの方に多数参加していただきました。帯広の会社として大いに期待しています。
4月の Tokachi Developer’s Night の試み
1月のイベントの成功もあって、その時に集まった方々とFacebookグループで議論を行い、勉強会の正式名称の決定、そして次回の開催日程を決めました。
1月の時はタケウチ君が会場手配などをしましたが、今回は帯広にいる現地の方に会場を借りてもらうことにしました。
会場費は前回と同じくらいの安さだったのですが、鍵を開けてもらって入ってみたらだだっ広い!72人入れるとか、中規模カンファレンスに使える広さです。
72人収容できる部屋、笑った。YAPCの小さな部屋より広いよ!! pic.twitter.com/imX4yYBW4z
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 16, 2015
結局、この回は1月の時ほど人数は集まらず、5人くらいでした。72人入れる部屋なのに。
Tokachi Developer's Night #1 (@ とかちプラザ in 帯広市, 北海道 w/ @t_akms) https://t.co/7KYcwKwco4 pic.twitter.com/WSGUMfD5um
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 16, 2015
開催日は4月16日となったのですが、毎年4月16日の私は「Foursquareの日」として全世界で行われている Foursquare Meetup の東京会場に遊びに行く予定でした。とはいえ今年は開催されるという話もなかったので、このイベントのために地元に滞在していたのでした(まぁ Foursquare Meetup があったとしてもこっちに出たかな)。
その代わりといってはなんですが、話題はFoursquareにしました。
今回もプログラミング要素とかは低めです。
懇親会の会場は、前回同様帯広駅の北側に行きました。
懇親会 (@ 創作料理 よにき in 帯広市) https://t.co/NxD7mMkEbL pic.twitter.com/oTsAZ20i0z
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 16, 2015
よにき、評判良い店らしいので行ってみたのですが、雰囲気も良くておすすめです。
釧路OSS 4月勉強会
こちらは定例勉強会ですが、Tokachi Developer’s Night #1 の翌日に釧路市内で行われた「釧路OSS 4月勉強会」に参加しました。
釧路OSS 4月勉強会 #946oss (@ 釧路市民活動センター わっと – @946wat in 釧路市, 北海道 w/ @t_akms) https://t.co/EBYMUaXn0c pic.twitter.com/PswXxkX4fz
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 17, 2015
今日の参加者は8人。普段を知らないんだけどたぶん盛況。 #946oss
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 17, 2015
トークのリクエストがあったので、前日4月16日に Tokachi Developer’s Night #1 で話した Foursquare のトークを再演。
飲み会は当然ながら末広町(釧路の飲み屋街)に繰り出します。
#946oss 懇親会 (@ 炭火焼 こだま in 釧路市, 北海道) https://t.co/6xJRznhz9w pic.twitter.com/le4WnNW7OS
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 17, 2015
釧路の人は飲み会も大好き。二次会にも当然繰り出します。
#946oss 懇親会二次会 (@ 浜っ子 in 釧路市, 北海道) https://t.co/VfzQN0YMnq pic.twitter.com/rHeP4bWCaw
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 17, 2015
さらに東にある根室からも参加者があるところ、釧路は道東地域のIT交流のハブとなっている感じすらあります。
釧路で飲み会したら根室の人がいたのでN-istの話を振って黄色の子推しなんですよって話をした。林業という切り口は今までなかったし、適切に間伐材を使ってほしいって話をした。
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) April 17, 2015
N-ist とは根室の第一次産業応援アイドルのこと。地方のIT業界応援アイドルも欲しいですね。
サロンを作りたい
帯広も、ITコミュニティの需要というものがあるということはわかりました。
4月と5月に色々なところで色々な人と話をしていて思ったのは、地元にもサロンのような場所がほしいということでした。それはもうITとかジャンルを限定したものではなく、様々な人が文学・芸術・娯楽など様々なジャンルについて集まって語り合うような場のことです。まさに中世ヨーロッパのサロンようなもの。イベントスペースとしても使えるけれど、どちらかというとカフェやロビーのようにテーブルと椅子があって、議論や交流をメインとした場所を想定しています。
帯広市内にも最近になってサロンの名前が入った「十勝サロンアネックス」のような場所が出来ましたが、中世ヨーロッパのサロンというよりはオシャレなイベントスペースに近いです(それでも帯広では画期的ではありますが)。
私が考えるようなサロンが欲しいという話を中学時代の友人と話して盛り上がったりもしたのですが、これは中長期的スパンで実現していきたいなと本気で考えています(妄想や冗談だと思われていることも多いのですが)。
具体的には、コストがかかる帯広市街ではなく、音更町の木野地域に安い土地と建物を購入して、賛同者が共同で使える場所を設けてしまおうかなという計画。もっと細かい計画も漠然と考えてはいるのですが、興味のある方は声をかけてください。一緒に織り上げていきませんか。
地方のITが脚光を浴びていると感じる2015年
地方と東京という視点では、北海道の社団法人LOCALが2015年5月16日に開催した LOCAL Community Summit 2015 (LCS2015)がとても刺激になり、また参考にもなりました。LOCALをはじめとした北海道のITコミュニティが満を持して東京に上陸するという珍しいイベントでしたが、結果的に大成功に終わりました。東京が主、地方が従となりがちなITコミュニティですが、こういうイベントがもっと行われば東京一極集中が緩和するんじゃないかなぁと思います。
私も、北海道出身で東京在住のPerlプログラマーとして、東京のPerlコミュニティのご紹介をさせていただきました。
帯広の存在感はLCS2015の中でほとんど無かったものの、釧路などの北海道の他の地域から帯広へイベント進出する予定なども紹介されたりして、今後が楽しみです。
このイベントについてのレポートは、また別のブログ記事で触れたいと思います。
次回以降の Tokachi Developer’s Night について
Tokachi Developer’s Night ですが、数カ月おきに開催したいと考えています。私は東京在住なのですが、地元在住の人主導で進めていってもらえるといいなぁと期待しています。需要はあるのですから、細々と開催していくことで多くの人に良いことがあると信じています。興味ある方はイベントページをフォローして下さい。
LCS2015の開催もあったりと、2015年は本当に面白い年だなと感じています。まだ半年以上ありますし、一日一日を全力で頑張っていきます。